石井邦知(こむすぽ編集長)
ここ数年、
2020年に東京オリパラが
行なわれることも影響して
障害者スポーツへの関心が
高まっていますし、
福祉領域のみならず、
“スポーツ×ソーシャル”
領域への関心は
全体的に高まっている感じます。
また、スポーツ庁も、
医療費削減を掲げ、
スポーツの社会性を高めようとしていることが窺えます。
そして自身もこれまで、
総合型地域スポーツクラブの経営を通じて、
社会性を意識した企画に取り組んできましたが、
実績としては下記のようなものになります。
◇国際交流×バレーボール、多世代交流(親子交流)×バドミントン
◇ブラインドサッカー体験
◇上智大女子バレー部との交流試合&スキルアップ講座(ママさんバレーチームもご招待)
◇スポーツ婚活
◇ユニバーサル運動会、防災運動会
◇チャレンジ2020(リレーマラソン)への参加(ギネス記録にもチャレンジ)
◇大人の体力テスト実施
◇限られたスペースでできるファストスポーツレクの実施
◇謎解きバトル・水鉄砲遊び
![](https://comspo.net/wp-content/uploads/2019/01/48359358_1936709026364735_3183584524646744064_n.jpg)
このように、様々な企画を生み出してきましたが、
プロセスとして大事にしていることを3つの観点でまとめてみました!
1.楽しい活動には社会的意義を加えられないか?
意義ある活動には楽しさを加えられないか?
それを大切にしている原点には、
大学時代に
NPO活動に携わり、
正しいことをやっても
楽しくなければ人が集まらない
ことを経験したことが影響しています。
障害者理解には
障害者スポーツ体験がいいですし、
防災運動会という防災とスポーツを
掛け合わせた活動も様々な自治体で行われています。
(環境活動の一環でスポーツごみ拾いというイベントもあります)
![](https://comspo.net/wp-content/uploads/2019/01/38010945_1753352081367098_3351891764557381632_n.jpg)
一方でスポーツという楽しさを前面に出しつつも、
どのような方が場を求めているのかということを把握できると
社会的意義を高められると考えます。
スポーツの、
体を動かしながら理解を深められたり、
幅広い方を受け入れられる可能性を有する
という特性や
ゲーム化することによる楽しさ、
わかりやすさを活かして
プロモーションにつなげていく
というのが一つの重要な視点と考えています。
2.行政の手の届かない領域は何か?を考える
自身が取り組んでいる多世代交流なども
行政が手をつけられないテーマの一つと考えていますが、
スポーツ課などスポーツ系の部署ではできないことや、
部署間の横の連携がないとできないテーマが何なのか?
という視点で考えます。
![](https://comspo.net/wp-content/uploads/2019/01/講座用スライド(全体編).jpg)
実際に社会福祉協議会が主催となって、
障害者スポーツ体験の場を設けましたが、
職員の方で、福祉とスポーツの両方の分野に明るい方は
いらっしゃらないようでした。
究極を言えば、
“活動する市区町村の行政すべての部署とつながりを持つ”
くらいの気概で考えられるとよいと思います。
3.ハード関係の方々と連携する
ハード関係の方々はコンテンツ(ソフト面)で課題を抱えていることが多いです。
公共スポーツ施設を管理運営している指定管理者様から
イベントの依頼をいただき、実施したこともありますし、
新しい価値を生み出すにはハードとソフト関係者のコラボが有効と考えています。
そして公園も同様です。
以前、
(一社)日本公園緑地協会機関紙
「公園緑地」
の中でも執筆させていただきましたし、
グリーンズにも取り上げていただいたことがありますが、
公園で活用できる遊具は何か?
公園の限られたスペースでできることは何か?
といった視点で考えるとアイデアも膨らみますし、
社会性も自然と出てきます。
![](https://comspo.net/wp-content/uploads/2019/01/親子スポーツ広場1.jpg)
その他、大事にしていることとしては、
求められたことを形にしてきたということです。
他地域で子供向けのイベント
学童保育でのメニュー提供
ボールの投げ方教室のコンテンツ
児童発達支援教室の運動療育メニュー
など、
「こんなイメージでできるかな?」
と漠然ながらお声掛けいただいたところから
スタートし、試行錯誤を重ねて一つひとつ形にしていきました。
スポーツは、
誰にでも知られていて、馴染みがある反面、
社会課題として見た時に、
緊急性や重要性が高いものと捉えられにくい
性質を持ち合わせています。
そのため、社会性を高めるという観点で
企画を考えることは有効と言えます。
そして最終的にはコンセプト、コンテンツの質次第になってきます。
例えば、場所が駅から遠くても、日時が平日など集まりにくい時間だとしても、
コンセプト、コンテンツがしっかりしていれば、魅力が伝わり、
場所や日時に関係なく人が集まるものという前提に立って、
今後も魅力的な企画を生み出していきたいと思います。
石井 邦知 ISHII Kunitomo
![ishii-kao](https://comspo.net/wp-content/uploads/2014/05/ishii-kao-150x150.jpg)
2011年2月に埼玉県川口市を拠点に総合型地域スポーツクラブきゅぽらスポーツコミュニティを設立。
主に(フットサルやバレーボール、バスケなどの)チームスポーツと(異業種交流、国際交流などの)テーマを掛け合わせた活動からスタートし、その後もスポーツ×地域活性・まちづくり・ソーシャルビジネスの領域で事業を展開。
具体的には、親子向けのコミュニティをつくったり、▶地域スポーツ事業者のためのコミュニティ(通称こむすぽ)を主催する他、子供会やPTAなどの地域コミュニティに向けて、スポーツレクイベントを実施するなどしている。
また主催している”異業種交流(YORIAI)フットサル”を通じて、輪が広がり、まち活かし会社・NCS株式会社(空間運営等)を2018年に設立、代表取締役。