まとめ記事

「こむすぽ」オープンから半年!――スポーツ業界関係者以外にも役立つサイトをめざして

石井邦知(こむすぽ編集長)

半年で35本の記事を公開「スポーツ=体育、勝負」以外の価値観を提供

 

あけましておめでとうございます。

こむすぽを2014年6月にオープンして半年が経過しました。週1~2回、記事を公開してきて、掲載記事は35本(本稿が36本目)、ライター(寄稿者)は16名に達しています。

内容は、スポーツから生み出された新しい価値や裏側の話、スポーツ体験記・挑戦記、また海外事例を踏まえた日本の現状への問題提起、甲子園やJリーグなどリアルのニュースに沿った記事もありました。

寄稿者もさまざまで、総合型地域スポーツクラブなどのスポーツ団体の経営者や講師(インストラクター)の方、ボランティアで関わっている方、チームスポンサーになっている方もいましたし、その他にJリーグチームのサポーターの方、参加者としての視点など、様々な角度からの内容でこれまで知り得なかったことも多々あったのではないかと思います。

その中で、従来の「スポーツ=体育・勝負の世界」という価値観とは異なる、こむすぽが掲げる「スポーツの新たな価値」について触れた記事が増えてきているように思います。こむすぽはまた、「スポーツ」というより、身体を動かす「遊び」も射程に入れた、新しい考え方を打ち出していますが、この点に対する共感も、こむすぽに関する活動や記事で感じられるようになってきました。

 

プロではない方が文章を書く意義

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こむすぽはWebメディアですが、活動はWebだけでなくリアル(オフライン)のミーティングも定期的に開催してきました。ここでは、こむすぽの方向性について議論したこともあれば、記事の筆者をお呼びしてより突っ込んだ話を伺ったこともありました。

また、こむすぽ編集部によるライティング講座も実施したところ好評で、参加者から次のような感想が寄せられました。

  •  文章を書く以前に、考えを整理することも重要と感じた
  •  自分の書いた文章がプロの手にかかるとガラリと変わりおもしろい
  •  言いたいことの材料にならないネタは思い切って捨てることが大事だと分かった
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そもそもWebメディア「こむすぽ」を立ち上げたきっかけは、以前、月1回開いていた勉強会を「これを内だけで閉じたものにしていてはもったいない」と思ったことです。勉強会はテーマが「com×sports」で、まさに今のWebメディア「こむすぽ」と同じです。勉強会ではどうしても参加してくださる数名の間にしか、気づきや学びが広がりません。メディアをつくることで、多くの方に共有したいと思うようになったのです。

実は「こむすぽ」に寄稿してくださっているライターの多くが、この勉強会の参加者や、その知り合いです。記者、ライターといった文章を書くプロではありません。最初は、文章を書くことをハードルと感じている方も多くいらっしゃったようです。

私は、プロでない方がに文章を書く意義として、以下の3つあるのではないかと考えます。

 

①アウトプットしてこそインプットが完成する

 

スポーツ関連のイベントやセミナーは多数ありますが、そこでいくらいい話を聞いても、インプットだけで終わってアウトプットをしないと身になりません。アウトプットにもいろいろ方法があり、実際にスポーツに関連した仕事に就く、イベントを開催するといった行動に移す方法もあるでしょうが、いきなりはハードルが高い。そこでアウトプットの入り口になるのが文章を書くことです。

ライター講座受講者からも感想として、文章を書くことで頭の中が整理できたという声が聞かれました。自分が学んだつもりのことでも、それを誰かに伝えようと文章にすると、意外と難しいものです。分かったつもりで分かっていない、ハラオチしていないことに、アウトプットしてはじめて気づくのです。

 

② 「言いたいことを言えばいい」ではなく「伝わるかどうか」を考える
(受け手の気持ちを考える)訓練

 

スポーツ業界に携わっている方の多くはスポーツ経験があり、スポーツが好きでしょう。しかし、その好きな気持ちを一生懸命文章にしても、冷静な読者には伝わりません。思いを込めた文章でも、主張に根拠があり、論理的な整合性がないと、独りよがりな内容になり、共感は得られません。

 

こう書くと「そんな文章は素人には書けない!」と思われるかもしれませんが、こむすぽでは編集部でプロがチェックし、推敲します。ときには書き直しをしてもらうこともあります。せっかく「伝えたい」「言いたい」ことを一度でも頑張って文章にしたわけですから、面倒かもしれません、こうしたステップを経て、「伝わる」記事をつくりあげます。これを経験すると、受け手、読者がどんな内容を期待しているかを想定しながら書く習慣が身に付きます。

 

③ 創造性を発揮する機会になる

 

オックスフォード大学が認定した、あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」702業種が昨年発表されました(参考:現代ビジネス

ここで「消える職業」「なくなる仕事」とは、コンピューターに代わられる確率の高い仕事を意味します。こうした状況で求められるのは、いかに“創造的な”仕事ができるかということです。文章を書くという作業も創造性を発揮、または培うことができる一つの機会です。書く作業を通じて、新たな発想が生み出され、様々な広がりへと結びついていけば望ましいと考えています。

「文章を書くのは難しい」「自分にはできない」と思われる方は多いでしょうが、伝えたいこと、言いたいことを持っている方は多いと思います。日ごろ何らかの活動をしていらっしゃる方は、その活動を通して実現したいこと、社会に訴えたいことがあるはずで、それを文章にすることは、意外と難しいことではありません。

今年は、スポーツ業界に携わっていない方も含めて、もっと多くの方に記事を投稿していただけるよう、呼びかけなど努力をしたいと思います。

また、ミーティングやセミナーなどの場も継続的に設け、「こむすぽ」という新しい概念を中心に、(職種やスポーツの種目を問わず)様々な業界の方と緩やかなネットワークを築きたいと思っています。Ustreamなども活用して、遠隔地から参加できるような体制が整えられないかとも考えています。

オンライン、オフラインの場をともに充実させ、com×sportsに関心を抱く人を増やし、大きなムーブメントにつなげたいと思います。

今年もよろしくお願いいたします。

 

<告知>

1月30日(金)19時半~ こむすぽ オープンゼミ開催!

第1回目のテーマは「支えるスポーツ」について
第2回目はライティング講座を行いましたが、
3回目となる今回は、
スポーツ界のIT(主にSNS)を活用した情報発信をテーマに開催します。
11月に日本で世界選手権が行われたブラインドサッカー協会でSNS担当をされている久保田暁さんにお話いただく予定です。
最先端の取り組みを知り、今後の情報発信のあり方について一緒に考えていきましょう!

◇開催日時:1月30日(金)19時半~21時半 ※希望者対象に懇親会あり

◇参加費(資料費など):1000円

◇開催場所:がんばれ子供村2階コミュニティスペース
(住所:東京都豊島区雑司ヶ谷3-12-9、池袋駅東口から徒歩15~20分)

申し込みはFacebookまたは support@comspo.net まで

 

 

石井 邦知 ISHII Kunitomo

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2011年2月に埼玉県川口市を拠点に総合型地域スポーツクラブきゅぽらスポーツコミュニティを設立。主に(フットサルやバレーボールなどの)チームスポーツと(異業種交流、国際交流などの)テーマを掛け合わせた活動を行い、新たに30以上の新規の企画創出(協働を含む)を実現。

これまでの取り組みの標準化と他地域の展開を目指して、2014年3月に一般社団法人日本コムスポーツ協会を設立(代表理事)。

http://twitter.com/ComComSports