コミュニティ

地域でスポーツを楽しみ、自分の居場所(サードプレイス)にするために-【第1回】初めて参加する時のポイント編

藤田大介(心理カウンセラー)

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ここ数年、その重要性が広く知られるようになった「サードプレイス」。家庭や仕事から隔離された、心地よい居場所を指し、こうした場所を持つことは自己成長やQOL(生活の質)の向上に効果的とされています。また、心理カウンセラーからすると、サードプレイスは人間関係の濃度を分散させることができるため、ストレスマネジメントの観点でも非常に有用だと思います。

スポーツを通じたコミュニティは多くの方にとってサードプレイスとなり得る場です。しかし、新たな場に馴染むのが得意な人ばかりではありません。そこで、初めてコミュニティへ参加した方が、そこをサードプレイスとするためにはどうしたらいいか、ポイントをいくつかご紹介していきます。

「スポーツをする場」から「仲間と会う場」へ

その人にとってのサードプレイスになれたかの一つの目安は、「スポーツをする場」ではなく「仲間と会う場」と思われているかでしょう。スムーズに仲間を作るにはまず、「短期間に集中して参加する」ことが効果的です。一度参加してから期間が空いてしまうと、どうしても次足を運ぶのが億劫になるものです。また、コミュニティの仲間からも忘れられる恐れがあります。初参加から3ヶ月ほどは足繁く通い、「最近よく来る○○さん」と周りから名前をしっかりと覚えてもらいましょう。意識としては、「都合がついたら」ではなく「時間を作って」参加する、を心掛けるとよいでしょう。

同時に、参加する時には「笑顔と挨拶」だけは忘れないこともポイントです。よく言われることですが、やはり第一印象は大切。知らない人ばかりだと、一人で黙々とアップをする方が気楽ですが、「とっつきづらい」「暗そう」と印象を持たれてかねません。マイナス印象からのスタートは、仲間づくりのハードルが一気に上がるので、絶対に避けるべき。上手に色々と話す必要はありませんが、「初参加の○○です」「宜しくお願いします」と笑顔で挨拶することで、好印象を持ってもらうようにするのが望ましいでしょう。

3つ目のポイントは、「知ってもらおう意識を捨てる」です。人は誰でも自分のことを「知ってほしい。興味を持ってほしい」という欲求を持っています。だから、自己紹介に始まり自分の話をついたくさんしたくなりますが、実は逆効果。話している相手だって、「自分に興味を持ってほしい」と思っているものです。聞き上手を意識し、コミュニティの先輩に関心を持ち、相手を知ることに重きを置くのがオススメです。

主催者・常連さんと話してみる

しかしながら、コミュニティにいる方全員とコミュニケーションを取るのは難しいでしょう。まず誰に話しかけ、仲良くなるかも重要なポイントです。一番良いのは、主催者と常連さん。主催者にとって、自分のコミュニティに興味を持ってもらえることは何より嬉しいことです。そのため、話しかければ大抵は歓迎されるはずです。主催者に話しかけ、何を考えどんな想いでコミュニティを運営しているかを聞ければ、コミュニティへの愛着も湧いてきます。また、常連さんからは、雰囲気や人間関係、楽しみ方などそのコミュニティの情報を教えてもらえます。常連さんと仲良くなれば、その後の仲間づくりもスムーズになり、居心地の良さも上がります。誰と話すか迷ったら、主催者か常連さんを捕まえてみるのが良いでしょう。

スポーツを通じたコミュニティの場合、その場だけだと競技に時間と意識を取られ、仲間づくりの時間が少なくなることも考えられます。そのため、打ち解けるためには懇親会へ積極的に参加すべきです。懇親会は競技中よりも密にコミュニケーションを取れる絶好の場。スポーツの後は気分も高揚していて心もオープンになりやすいので、主催者や常連さん、競技中気が合いそうと思った方の近くに座り、遠慮せず話しかけてみると良いでしょう。

リアルと非リアルの両方で交流を重ねる

また、facebookやInstagramなどのSNSで、主催者やコミュニティの先輩達と繋がることも必要です。もはや、SNSは楽しむためだけでなく、人間関係を作るための重要なツールです。コミュニティで出会った方の投稿にいいねやコメントをすることで、会わなくても認知度や親密度を上げることができるので、使わない手はありません。リアルと非リアル、どちらでも交流を重ねることこそ、早くコミュニティに馴染む一番のポイントと言えますね。

いかがでしょうか。どれもそれほど難しくはなく、意識すればできることばかり。これから新たなコミュニティに参加される方はもちろん、コミュニティを運営されている方にも参考にしていただき、安心できる仲間とスポーツを楽しむ人が増えて欲しいと思います。

※地域でスポーツを楽しみ、自分の居場所(サードプレイス)にするために【第2回】続けて参加するコツ編はこちら

藤田 大介(FUJITA Daisuke)

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DF心理相談所 代表心理カウンセラー/2006年資格取得後、数社でカウンセラーや講師を務める。2011年にNPO法人日本カラーアートセラピー協会を設立、副理事長就任。2014年4月に理事を退任し、独立。精神科クリニックにてカウンセリングを行うとともに、セミナー・講演を通じてメンタルヘルスの更なる普及に努めている。
http://dfsoudan.jimdo.com