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助成金獲得に大事なのは情報発信とあきらめない姿勢――北海道フロアボール普及プロジェクトの梅田代表理事に聞く

2015年3月11日
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スポーツの普及に努める団体、地域スポーツクラブなど、スポーツにかかわる全国の多くの団体が、活動資金の獲得に悩んでいる。今回は、2月26日のニュースで伝えたように、公益財団法人・太陽財団(理事長・東原俊郎太陽グループ社長)の助成金の対象に選ばれた、一般社団法人北海道フロアボール普及プロジェクト(代表理事:梅田弘胤)へのインタビューをお届けする。いかにして助成金を得たのか、その準備の過程には多くの学びがある。

こむすぽ編集部

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梅田弘胤

UMEDA Hirotsugu/ 1978年生まれ。北海道紋別郡遠軽町出身。医師。社会人になってアイスホッケーに誘われ、スティックスポーツに興味をもつ。30歳の時にインターネットでフロアボールを知ったことがフロアボールを始めるきっかけに。

フロアボールとは

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2回目の挑戦で得た太陽財団の助成金

――今回の助成金応募にいたる経緯を教えてください。

私がフロアボールと出合ったのは2008年で、スポーツとしての面白さ、幅広い世代で楽しめる点に大きな魅力を感じて広めたいと思い、個人的に普及活動を始めました。

助成金を得るということでいえば、2012年にスミセイコミュニティスポーツ推進プログラムに、任意団体として応募して50万円の助成を得たのが、最初の成功体験です。その後、インターネットで助成金情報を探し、太陽財団の助成金を知りました。

太陽財団の助成金に初めて応募したのは2014年度(平成26年度)で、このときは任意団体であったせいか、残念ながら落選しました。

――いろいろと助成金の情報を得られたと思うのですが、なぜ太陽財団にしたのでしょうか。

まず対象団体の要件が厳しくなく、任意団体も含めていること。また対象経費の縛りが厳しくないこともポイントでした。どうしても道具の購入が必要なのですが、他の助成金の中には、道具の購入に使える割合まで指定しているものもあります。

2014年7月に社員5人で一般社団法人を設立して再び申請したところ、しつこく申請したのが良かったのか、法人化が良かったのか分かりませんが、運良く選ばれました。

――応募103件、採択18件と狭き門でした。申請する時に工夫された点は?

アピールしたことは、不特定多数の利益になること、フロアボールがとても手軽に始められるスポーツであること、世代を問わず巻き込めること、異世代間交流を生み出せること、異業種交流などにも応用できることです。

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助成額は年間の活動費の4割

――差し支えなければ助成額を教えてください。それは団体の運営のどれくらいの割合でしょうか?

助成金額は34万2000円で、申請額の通りでした。申請書には、1年間の事業すべてを記入しました。当法人の事業そのものを一つの企画として申請したわけです。1年間の事業総額は、法人設立から申請時までの実績を考慮して弾き出し、84万2000円と書きました。助成額は4割ということになりますね。

これは助成が決まった後に分かったことですが、決算で事業総額が84万2000円に満たなければ、助成額も割合に応じて減じられるそうです。それが分かっていれば、事業総額をもう少し控えめな金額にしたかも知れません。

事業総額と助成額の差がちょうど50万円ですが、この分はしっかり獲得できるよう、事業総額がそこに達するべく、一生懸命活動すればよいじゃないかとポジティブに考えるようにしています。具体的な数字を目標にしたほうが動きやすいと自分に言い聞かせています。

他に受けている(以前もらっていた)助成金はありますか? 協賛金やクラウドファンディングなど、他の資金調達方法は?

2014年度は北海道NPOファンドから8万円の助成をいただきました。また個人的にクラウドファンディングサイトFAAVO北海道数十万のプロジェクトを発表しました。結果は、ぎりぎりのところで成功し、リターン品制作や手数料の分を差し引いた分を寄付金として法人に振り込みました。

2015年度は、企業の協賛金収入を大きく伸ばしたいと考えています。企業とNPOの協働というキーワードが注目されていますし、「北海道フロアボール普及プロジェクトがこんなにアクティブにやっているぞ」と、例に挙げられるくらいになりたいと思っています。

クラウドファンディングは大きな可能性がありますが、達成するか不確定なことなど、いろいろな面でストレスが大きいので、収入源としては依存しないように考えたいですね。

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使いづらい助成金も少なくない

――その他に資金調達上の悩みは何でしょうか

協賛金の金額設定には悩んでいます。企業や個人から協賛金をいただく場合、何らかのイベントに対する協賛金として協力を依頼することが多いです。多ければ多いほど、余剰金を普及活動に回せるのですが、一度に大きな額をいただくことにはデメリットもあると思います。それは、継続性のない1回限りの援助になってしまう可能性があるということです。法人としては、末永く一緒に歩んでくれるパートナーのような存在をたくさん増やしたいので、少額でも継続して、定期的に支援をお願いできるような空気をつくりたいのです。どれくらいの金額がベストなのか、これから試行錯誤することになると思います。

また、助成金に関していえば、“使いづらい”助成金が多いと思います。「使いづらい」助成金は以下のようなものです。

  1. 何らかの特別なイベントにしか助成しないもの。
  2. 助成金で購入した物品に助成の印をつけなければいけないもの。
  3. 助成金の使用用途に制限があるもの。
  4. ある一定の割合以上の自己資金投入をもとめるもの

――です。

  1. は通年事業型のプロジェクトは助成を受けづらくなります。
  2. にあたる助成金は、大きな設備を購入する場合以外は助成を申請しづらいです。
  3. については、モノに対する経費を制限する場合、当法人のように活動拠点を創設するような事業ができません。
  4. に関しては、資金力のない組織を排除してしまいますから、当法人も切実な問題になる可能性があります。自己資金が年度内に計画通りに集められない場合、助成金を一部返還しなければならないからです。

――同じように助成金獲得を目指している組織、資金調達に悩んでいる団体にアドバイスを。

まだ太陽財団の助成年度が終わっていないため、アドバイスできる段階にあるのかどうか分かりませんが、とにかく情報発信を最大限やることだと思います。もう一つは、助成金を申請して獲得できなくても、またプランを練り直して出すことです。1回ダメだったからといって、ずっとダメとは限りません。

情報発信については、私は、計画段階や調整段階の未決事項に関しても、なるべくリアルタイムで情報公開するようにしています。何かを計画し達成しているプロセスをまるごと公開することで、ワクワク感が共有され、それを応援してくれる人が現れると思います。資金獲得の悩みがあるとしたら、その悩みをまるごと情報発信のネタにすればいいと思います。何に困っているかが分かれば、周りの人間も手を貸しやすいと思います。

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一般社団法人北海道フロアボール普及プロジェクト

フロアボール愛好家5人で2014年7月設立。正会員を増やす計画はない代わりに、議決権のない賛助会員を増やす計画。フロアボールプレーヤーの統括団体は目指しておらず、プレーヤーから登録費を得ることもないという。賛助会員になるか、寄付金を払うことで会の活動を支援できる。

http://hokkaido-floorball.jimdo.com/

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フロアボールとは

「氷のないアイスホッケー」と表現されることもある、スウェーデン生まれの室内競技。アイスホッケーと同じように1チーム6人(ゴールキーパー1人とフィールドプレーヤー5人)で戦う。直径72ミリの中空のプラスチックボールを専用のスティックで操り、ゴールを狙う。アイスホッケーとの違いは、フィールドプレーヤーが防具をつけないこと、普通の上靴でプレーすること、ゴールキーパーはスティックを持たないこと、体当たりが禁止であること、オフサイドやアイシングのルールがないことなど。
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