レポート

「被災地の子供たちとサッカーを通して触れ合いたい」――元レッズ監督発案の震災復興支援

元浦和レッズ監督のドイツ人指導者、ゲルト・エンゲルス氏が発案した震災復興支援プロジェクト「東北げんkidsプロジェクト~Mit Ball Spass~」の記者会見が5月28日(木)、都内のドイツ文化会館で開かれた。

深谷 友紀(こむすぽ編集部)

崩壊したスポーツコミュニティーを再生したい

プロジェクト「東北げんkidsプロジェクト~Mit Ball Spass~」の主体は、福島県いわき市に拠点を置くNPO法人Zukunft Lokal(ツークンフト・ロカール)。ドイツサッカー協会と、異文化間における若手アスリート間の相互理解・交流・国際的視野の養成を目的とするドイツのNPO法人アウフ・バルヒューアが協力している。プロジェクト名の「Mit Ball Spass」は、「mit ball =ボールを手に」「mit Spass=歓びを胸に」というドイツ語にちなむ。 ドイツには「スポーツ=福祉」という考え方があるといい、このプロジェクトでは、その考えを取り入れることで、被災地自身の自立、再生を後押しする。ドイツサッカー協会がコーチを派遣、5月末から東北三県に住みながら活動。サッカーを中心としたプロジェクトであるものの、食文化の面でも支援するという。 

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会見には、エンゲルス氏(写真左から1人目)ほか、ヨハネス・シュロプファー氏(同2人目、NPO法人アウフ・バルヒューア)、カイル・バーガー氏(同4人目、ドイツサッカー協会)が来日して出席。プロジェクトの概要を説明した。 ツークンフロートローカルの大田原邦彦理事長(同3人目)は「震災から4年が経ったが、震災ゴミが毎月増えているなど現地はますますひどい状況」としたうえで、「震災で崩壊した地元のスポーツコミュニティーの再生が目的。ドイツのスポーツコミュニティーの考えを取り入れ被災地を活発にしたい。1~2年ではなく長い年月をかけて取り組みたい」と意気込みを語った。 エンゲルス氏は、「複雑なことではなく、まずは被災地の子供たちとサッカーを通して触れ合うが大事。企業に支えてもらえるような活動にしていきたい」と述べた。