浅野慎二(エンジニア)
6回目となった「こむすぽオープンゼミ」は3つのフットサルサークルを運営する相良直人さんを迎え、「スポーツサークル運営の秘訣とこれからのあり方を考える」と題して、3月20日夜に開催されました。
私は過去にテニスサークル起ち上げを挫折した経験があるのですが、当時の私の活動と相良さんの話を比較して、その原因が浮き彫りになりました。その点も含めて今回はレポートしたいと思います。
個々に特色を持たせた3つのサークルを運営
相良さんは現在、以下の3つのサークルを運営しています。
- 男性フットサル(創設9年)
- 女性フットサル(創設3年)・
- 男女ミックスフットサル(創設1年)
先日こむすぽで公開した相良さんのインタビューに詳しいのですが、男性は仲間うちでのやり取りからできたサークル。女性は、相良さんのお仕事(パーソナルトレーナー)の顧客に交流してもらうための場づくりがサークル結成のきっかけだったそうです。
そして一番新しい男女ミックスのサークルは、それまでの経験を踏まえ、「野心と構想を持って始めた」というプロジェクト。フットサルだけではなく、ラフティングツアーや合気道など伝統芸能に触れるイベントも開催予定だそうです。
別々のチーム、サークルではありますが、男性サークルから女性サークルへコーチを派遣するなど、交流を計りつつも程良い距離感を保って運営されているという印象を受けました。
私の失敗と比較して分かったこと
サークルとして同じ時間を共有する場合、目標設定はモチベーションを維持するためにもとても大切な要素だと思います。ここで過去の私のやり方と相良さんの場合を比べてみます。
会社の同僚を中心に素人(自身も含めて)を集めて始めたテニスサークルで、「半年後に他のサークルと対抗戦をしましょう!」と発表するも、目標に対するメンバーの反応は鈍く、「え!? そんなの無理」「もっと仲間内で緩く楽しもうよ」といったものだった。
対戦相手のサークルや経験者のコーチも探し、シナリオを書き上げたうえでの提案だったので、これにはガッカリ。コーチとメンバーの関係もギクシャクとしてしまった。
★相良さんの場合
はじめは「飲み会の口実」というような軽い集まりからスタート。回数を重ね慣れてきたころに大会の話を切り出し、大会参加決定後もユニフォームを揃えるなどの付加イベントで盛り上げた。
また、男性のほうが女性よりも繊細で、優劣をあまりつけたがらないということもあり、大会参加にはより慎重になるとの話も。
私の場合はメンバーのことよりも自身のやりたいことを押し付けてしまった形となり失敗しました。
相良さんも仰ってましたが主催者は目立たず黒子に徹するのが秘訣のようです。
メンバーはやみくもに集めない
とにかくメンバーを増やしたかったので、手当たり放題に声をかけた結果、10人以上の参加者を集めることに成功しました。
しかし、初期メンバーから、「雰囲気が変わってしまった」と足が遠のく人が続出。経験者にも声をかけたためレベルの差も顕著に。
★相良さんの場合
顔見知りのメンバーでスタート。メンバーの一般公募はせず、紹介のみ受け付ける。
チーム内での派閥は作らせないよう気をつかい、初参加者からは「フットサルが楽しい」と思えるようなプレーを引き出すようなケアを手厚くする。
ここでも私の場合はメンバーの考えは意識せず「たくさんの人でワイワイやれば楽しいでしょ!」という単純な発想から失敗してしまいました。
規模拡大の前にコアメンバーの確立が必要だったのだと思います。
主宰者一人、自分の力だけではできない
合気道もたしなむという相良さん。今回のゼミを通して感じたのは、サークル運営も合気道同様に、相手の力を利用するのが成功への近道なのだと感じました。すべてを一人でやるのは絶対に無理。しっかりメンバーのニーズをヒアリングした上で、最適な選択を取る。もちろん、トラブルがまったくなかったわけではないとのことですが、じっくり焦らずに作り上げてきた結果が現在の3つサークルに現れているのだと思いました。
プロフィール
浅野慎二 ASANO Shinji
1974年生まれ。スポーツ好きのITエンジニア。仕事の傍らヒューマンアカデミーの『スポーツマネージメント講座』修了。今回のゼミを参考に再度テニスサークル作りにチャレンジしたいと思っています!!