・機能的価値
・感情的価値
の2つに分類できると言われていますが、
メインのオフラインでのサービスは機能的価値に該当するでしょう。
・運動不足解消、健康のため ⇒競合はフィットネスクラブ
・趣味を見つける ⇒競合はその他のスポーツ・文化活動
・地域交流 ⇒競合は地域のサークル、町会
・仲間づくり・出会い ⇒競合は社会人サークル
・親子・家族内の交流 ⇒競合はレジャー施設
・余暇 ⇒競合はゲームや買い物など
・スキルアップ(人間的成長) ⇒競合は塾・講座系
・自己実現・自己発見 ⇒競合はアウトプットの場、コミュニティを自らつくるなど
ただ機能面で差別化するのが難しい時に、感情的価値をいかに提供できるかが大事になってくると思っています。その具体例が、コミュニケーション活動であり、コミュニティになってくるのです。
そこで今回、コミュニティに存在する10の価値を整理しますが、コミュニティマネージャーの方は、その価値を理解し、具体的に何ができるのかを、(私自身が9年間続けてきたスポーツコミュニティを事例として)考えるきっかけにしていただければと思います。
※今回の記事は、こちらから発展させています
前提として、コミュニティには大きく分けて
・マネジメント価値(ユーザー視点での価値)
・マーケティング価値(運営者視点での価値)
の2種類にに分かれますが、マネジメント価値について重点的に考えていきます。
4つのマネジメント価値
マネジメント価値は、さらに4つの価値に分類することができます。
1.居場所価値
コミュニティを居場所として感じる価値のことで
①ありのままの存在が肯定されている(安心感)
②役に立っている(役割)
という2つの要素が必要になります。
バドミントンやバレーボールに毎週参加されている方が一定数いて、「毎週のこの場がオアシスです」と言っていただいているのが、正にこの”居場所”にあてはまるのだと思います。
また、
初参加者とアップ相手をしていただいたり、
懇親会のお店を率先して決めていただいたりと
様々な役割を担っていただくことで、
本人たちも役に立っているという実感をもてています。
↓ ↓ ↓
今は、この居場所をFacebookグループに作っています。
オフラインの活動を完全に補うことができないのは認識していますが、グループでの発信を楽しみにしていただいたり、stay homeを楽しむきっかけにもなればと思っています。(グループを見てコミュニケーションすることが生活の一部になるように)
2.自己実現価値
会社や団体ではできない自己実現へ
挑戦できる価値のことで、
①挑戦することにポジティブなコミュニケーション
②応援し合う文化
③挑戦のきっかけがある
の3つが必要な要素となります。
これについては、
初心者やブランクある方が
バドミントンやバレーボールをできる環境が
ほぼないということから、
そのものが自己実現につながっていると思っています。
そして、アットホームな場
と言っていただくことも多いので、
初心者の方の挑戦にも
暖かく受け入れることができていると思われます。
↓ ↓ ↓
こちらも今難しいわけですが、自宅で何をしているかや最近どうやって体を動かしているかのアンケートをとり、結果をまとめて発信することで、自分もやってみるきっかけになればと思っています。
アンケ―ト結果はこちら↓↓
また先日は、参加者と初めて対談形式で動画を撮ってみました。
こういうことも、他ではできない経験として捉えていただければと思っています。
3.学習価値
専門的な知識や情報を共有し合い、
自分一人よりも学びが深められる”学ぶ場”としての価値のことで、
①いつでも情報共有できるオンライン空間
②教え合うことを受け入れる文化
の2つが必要な要素となります。
バドミントンやバレーボールで言えば、
技術面を教え合うということになると思いますが、
こういったコミュニケーションが
対面で生まれていますし、
FacebookグループやLINEグループをつくることで
オンライン上での情報共有ということもできています。
※下のように、みんなで自分たちのプレー動画を見る機会を設けることもあります
↓ ↓ ↓
こちらは、オンライン上での情報共有は継続していることになりますが、今のタイミングでは、自粛疲れに役立つ情報や地域の情報提供も重要と考えています。
在宅勤務になったかどうかのアンケートや、
自粛疲れを感じる方に役立つコンテンツとして下の動画も発信しました。
対話をし、各々の価値観を深めていくことができる価値のことで
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①尊重し合う文化
②対話する機会の創出
③自由に対話ができる環境
の3つが必要な要素になります。
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こちらに関しては、
試合の合間に自己紹介の時間を設けることもありますし、
懇親会も対話の場になっていると思いますが、
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いいところは10代~60代まで幅広い年代が集っている中で、
コミュニケーションがとれているということです。
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普段の仕事や学校で接することのない年代の人と
対話ができていると言えます。
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当たり前なことではありますが、アンケートよりも実際に会話をすることで、対話を深めることもでき、毎回の人数は少ないですが、回数を重ねることで、対話の機会は増やせています。
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ここまでが4つのマネジメント価値になりますが、
特にオンラインで感じていただくのが難しいのは、
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1.居場所価値、2.自己実現価値
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かなと思われます。(オンラインとオフラインでキーマンも変わってきますね)
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そのために個人的には、
・Facebookグループの設定を公開から秘密に
・発信をこれまでよりも多めにする
といった工夫も加えています。
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発信については、
真面目:面白さ=2:8を
意識している組織もありますし、.
理念やストーリーなどを発信しつつ、双方向型のコミュニケーションが生まれる緩やかな発信とのバランスをとることが必要だと思っています。
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6つのマーケティング価値
ここから、
マーケティング価値にいきたいと思いますが、
6種類に分かれます。
マーケティング価値については、最近意識している企業も多く、参考にできる事例も多いですが、Facebookグループのようなコミュニティプラットフォームのみならず、様々なSNSなどを使って実現できるのではないかと考えています。
それでは、6種類のマーケティング価値を順に見ていきたいと思います。
知識価値の一つには、
参加者の声を拾うというのがあり、
具体的にアンケートを実施していますが、
懇親会がよりリアルな声を聞ける場になっています。
参加者と一緒にイベントを創っていくという点では、
花見や忘年会などの親睦会案を
出し合うこともありますし、
以前は、運動会をやらないかという案が出て、
実施種目を参加者の皆さんと一緒に考える時間を
設けたこともあります。
参加者は、SNS(主にFacebook)
をやっている方がほとんどなので、
少なからず影響力があると思います。
今はそれほどでもないですが、
以前は、Facebookのタグ付け
による効果は大きいと実感していました。
こちらも感じています。
既存参加者が、一生懸命誘って
連れてこられたという感じでもなく、
たまたま雑談で
「バレーをやっている」
「バドミントンをやっている」
という話になって
それを聞いて参加してみたくなった
というケースが多いように感じます。
これは、スポーツをやりに来るという目的から、
仲間に会うために来る
という目的のシフトにもつながる話だと思っています。
(個人的には、目的のシフトがないと、継続性は薄れると思っています)
ちなみに、こちらでは、
合計100回参加した人を表彰しているのですが、
そうすることで、今自分が何回目か、
参加回数を気にする人はいるし、
何となくでもそこを目指す人が増えたように感じます。
「文化を創造していくにはサービス(企業側)だけではできず」
参加者と共に活動して、初めて生まれるという考え方です。
こちらでは、何かを決める際に、
Facebookグループでアンケート
を実施することもありますが、
具体的に、団体の価値観(バリュー)
を定めていく過程で
アンケートを実施させていただいたこともあります。
ちなみにそこから完成した
価値観がこちらです。
<コミュニティで大切にしている価値観・歓迎事項>
・レベルに関係なくみんなで楽しむ
・常に新しい人が参加しやすいオープンなコミュニティ
・活動時間の合間に初めて会った方と話してみる
・コミュニティに完璧を求めないで、気になったことは参加者同士ではなく主催者に直接言ってみる
・役割を持つ
・SNS(主にfacebook)でメンバーとのコミュニケーションを楽しむ
・他の種目や親睦会にも参加して、様々な楽しみ方を見出す
そして最後に、これまでと関連した内容も含まれるこちらの書籍もおススメです↓↓
まとめ
以上、コミュニティの10の価値をまとめてみましたが改めて整理してみると下記の通りです。
マネジメント価値
居場所価値/自己実現価値/学習価値/対話価値
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マーケティング価値
知識価値/共創価値/影響価値/紹介価値/生涯価値/文化価値
本来のサービスを提供できない分、これらを意識することで、感情的価値を感じていただくきっかけにもなるのではないかと思っています!
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プロフィール
石井 邦知(ISHII Kunitomo)
2011年2月に埼玉県川口市を拠点に総合型地域スポーツクラブきゅぽらスポーツコミュニティを設立。
主に(フットサルやバレーボール、バスケなどの)チームスポーツと(異業種交流、国際交流などの)テーマを掛け合わせた活動からスタートし、その後もスポーツ×地域活性・まちづくり・ソーシャルビジネスの領域で事業を展開。
具体的には、親子向けのコミュニティをつくったり、▶地域スポーツ事業者のためのコミュニティ(通称こむすぽ)を主催する他、子供会やPTAなどの地域コミュニティに向けて、スポーツレクイベントを実施するなどしている。
また主催している”異業種交流(YORIAI)フットサル”を通じて、輪が広がり、まち活かし会社・NCS株式会社(空間運営等)を2018年に設立、代表取締役。
☆プロフィール詳細は▶こちら
◆これまでの主なプロジェクト・コミュニティ
きゅぽらスポーツコミュニティ(2011年4月~)
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埼玉県川口市を拠点に、きゅぽらスポーツコミュニティ(総合型地域スポーツクラブ)を設立。(=コミュニティ起業)
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主に(フットサルやバレーボール、バスケなどの)チームスポーツと(異業種交流、国際交流などの)テーマを掛け合わせた活動(=コミュニティスポーツ事業)からスタートし、主催回数は1000回以上、実参加者総数は2200名以上になります。
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2015年からは、小学校放課後子ども教室コーディネーターの他、放課後児童クラブや児童発達支援教室、子供会やPTAといった地域コミュニティにスポーツレクプログラムを提供しています。
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これまでにやってきたことは全てこちらにまとめています↓↓
そしてきゅぽらスポーツコミュニティを起点に、新しいコミュニティ(プロジェクト)が3つ生まれました。
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あそつく~おやこ共同遊びづくり~(2014年1月~)
ミニ餅つきや水鉄砲遊び、お菓子の家づくり、謎解きバトルなど、地域にありそうでなかったイベントを2014年から開催してきました。
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その他、和菓子やアロマ石鹸づくり、ハワイアンランヤード、万華鏡など、講師をお呼びしてイベントを開催したこともありますし、これまで10名以上のスタッフに協力いただいています。
https://www.facebook.com/groups/229793840521283/
こむすぽ(スポーツ×地方創生×ソーシャルビジネス)(2014年6月~)
こむすぽというwebメディアを立ち上げ、編集や記事執筆など、20名以上の方に協力いただいてきました。
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こむすぽと連動したFacebookグループは300名以上の方に登録していただいており、そちらでも定期的に情報発信したり、現在はwithコロナ対策のためのオンライン会議も行っています。
https://www.facebook.com/groups/458787950881289/
YORIAI西川口(2019年1月~)
きゅぽらスポーツコミュニティが主催する”異業種交流(YORIAI)フットサル”を通じて、輪が広がり、一級建築士、空間デザイナー、シェアオフィス経営者、税理士と私の5人で、まち活かし会社・NCS株式会社を2018年7月に設立。空き店舗をリノベーションし、YORIAI西川口(レンタルスペース兼イベントスペース)を運営しています。
https://ncs5.jp/
☆ラジオ出演した時の音声はこちら(各回3分)▶第1回/第2回
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