最近何冊かスポーツビジネス関連の書籍を読んでみましたが、体系的に非常によくまとめられていますし、スポーツビジネス関連の書籍は近年とても増えてきていると思います。
しかしその割に、(特に地域の)スポーツ業界の変革が進んでいるようには感じられないというのが正直なところです。
団体としても、5月からソーシャルスポーツアカデミーという勉強会を月1の頻度で始め、そこでの経験も踏まえ、変革が進まない理由を3つの観点でまとめてみました。
1.学習と実施の乖離
繰り返しになりますが、(業界の問題点などを含め)内容がよく整理されている書籍が増えてきて、スポーツ業界を学習するのに入り口の情報としては豊富になってきていると思います。
その一方で、その先(=課題解決策など)を考える材料が少ないようにも感じました。そこで先を考えるには事例を学ぶ必要が出てきますが、事例は俗人的なケースが多く、マネしようがないことも多いのが現状です。
また関連してくることとして、解決策などのアイデアまでは出せても、実際にどう実行できるか、アイデアと実行の部分を埋め合わせるのにどんなスキルが必要なのかが明らかにされていないという点も問題の一つと言えるのかもしれません。
2.場所を持つことのギャップ
「将来的にはクラブハウスやグラウンドを持ちたい」という声をよく聞きます。非常に分かりやすい夢で伝わる人には伝わると思います。
しかし一方で現実的ではないと思います。大きな夢を持つことが問題なのではなく、その過程で小さく初めてみるステップが描けず、つくらないかつくるかの二者択一的になってしまうところが問題だと思います。(指定管理になることは過程と言えるかもしれませんが、もうワンランクステップが必要にも感じます)
私自身は設立当初から場所を持つなら、空中店舗ならぬ空中コート(駐車場の上の空中)かなという構想がありますが、スポーツ=広大な土地が必要という発想で固まってしまっているという印象です。
※当時のブログ記事です
http://ameblo.jp/kouhouman/theme-10052212873.html
3.地域や社会に対する学習の不足
地域スポーツに携わる上で、イベント実施による”経済効果”は示せても”社会的効果”を示しにくい現状があります。総合型クラブで言えば、会員数●人という目標は明確かもしれませんが、共通の意識をもてる指標が確立されていません。
また、地域振興が重要と口では言いながら、まだまだスポーツ振興の視点に偏りがちだと思います。具体的には、「スポーツ楽しいですからどうですか」というアプローチになってしまうわけですが、地域の現状を地域のキーマン?と話せるだけのレベルになっていないのだと思います。そしてこれに関しても学習するための教科書的なものがない。こういうものを開発する必要性も最近特に感じて始めています。
地域スポーツの変革が進まないのは「行政が固いから」でまとめられると思っている方々も多いかもしれませんが、周囲に文句を言う前にやるべきことはまだまだあると思っています。
今回挙げた3つの観点を具現化できるように何とか行動していきたいと思っています!