石井邦知(こむすぽ編集長)
こむすぽでは以前、2020年の東京五輪までの2020日間、毎日誰かがフルマラソン(42.195km)を走る市民参加型のイベント「チャレンジ2020」について取り上げました。
チャレンジ2020は、2016年1月2日で丸一年を迎え、2015年の大晦日にはNHKの番組「しあわせニュース」にも取り上げられました。
チャレンジ2020のフェイスブックページもありますが、ランナーの写真と動画が毎日更新され、いいね!数も1000を突破。地道かつ継続的な活動がじわじわと広がっているようです。
そのチャレンジ2020に1/11(祝)、私が運営している総合型地域スポーツクラブ「きゅぽらスポーツコミュニティ」のメンバー計24名で参加してきました。
参加者からの感想を一部紹介しますと、
「みんなで力を合わせて走り抜くって気持ちいい」
「久しぶりにマラソンしたけど、足がパンパンになるのも、達成感や団結力などに包まれて快感の一部なのかなって思った」
「最初の一周は一緒に走る方がいたり、最後の一周を走り終えてハイタッチで迎えられたり、楽しさ溢れるリレーマラソンでした」
「個人的にも良いチャレンジとなった」
といったものがあり、よい機会になったことがうかがえます。
今回の特徴は、参加者24名のうち半数以上がマラソン大会に出たことがない未経験者だったということです。なぜ未経験者が「走ろう」と思ったのか。理由は大きく3つあると考えます。
半数以上がマラソン未経験者だった理由
1.大会概要(参加基準)が厳しくない
制限時間も参加人数も縛りがないことがマラソン未経験者にとって大きかったのではないでしょうか。大会の規模が大きくないことや(=1日1人または1団体のみの募集)、タイムを競う大会ではないこと、毎日開催されていて選択肢が多いことも関係していそうです。
2.団体での申し込みが可能
毎日開催されているとは言え、土日の参加枠は2~3か月先まで埋まってしまっています。しかしながら、きゅぽらでは団体として早めに申し込んでおいたので、団体構成員は直前1週間以内でも参加表明できました。団体で申し込めるリレーマラソンの大会はほかにもいろいろあり、中には人数を前もって申告する必要があるでしょうが、この大会はそのあたりが柔軟に対応してもらえます。
3.コミュニティ内のメンバーから刺激が受けられる
参加したランナーがみんなで力を合わせて走りぬく気持ちよさを指摘していましたが、コミュニティ内のメンバーから刺激を受け、走ったことがなくても走ろうという気持ちが生まれたメンバーもいたようです。
以上3つの要因から参加しやすかったのだと推察しますが、これはどんなスポーツにもあてはめられるでしょう。
スポーツだからといって勝ち負けや順位を重視するのではなく、ルールを工夫したり人数を結集したりすることで新しいスポーツにチャレンジしやすい環境をつくることが求められていると感じています。こうしたイベントがさらに増えていくことを願っています。
石井 邦知 ISHII Kunitomo
2011年2月に埼玉県川口市を拠点に総合型地域スポーツクラブきゅぽらスポーツコミュニティを設立。主に(フットサルやバレーボールなどの)チームスポーツと(異業種交流、国際交流などの)テーマを掛け合わせた活動を行い、新たに30以上の新規の企画創出(協働を含む)を実現。
これまでの取り組みの標準化と他地域の展開を目指して、2014年3月に一般社団法人日本コムスポーツ協会を設立(代表理事)。
http://twitter.com/ComComSports