コミュニティ

少年スポーツはオヤジ達の愛によって支えられている

母の愛と異なるオヤジたちの愛

山田 宗芸(サラリーマン/プロボノ)

写真はイメージです写真はイメージです

「○○君と一緒にサッカーをしたい」——。
今からちょうど2年前の2012年4月、長男が幼稚園(当時、年長組)から帰ってくるなりこんなことを言いだしました。

父親である私はサッカー経験者でもないですし、特別のこだわりもありません。子どもの頃、「キャプテン翼」を見た程度で(40目前のオヤジです)、ひいきのJリーグ球団もないし、TVの試合中継もほとんど観ず、暇な時に日本代表戦があれば観るくらい。むしろ子どもには、自分が高校、大学とやっていたラグビーをやらせたかったほどです(妻の反対もあって断念しました……)。

ですが、子ども自身がやりたいと言っているわけですし、「サッカーって走るし、全身運動だから息子にとってもいいことだよね、きっと」くらいの気持ちで、「いいんじゃね? 体験行くか」と答えました。

そんなスタートでしたが、長男をサッカークラブ(スポーツ少年団)に入れて分かったことは、日本の少年スポーツは“オヤジ達の愛”によって支えられているということです。

もちろんお母さん達のサポート・愛も当然あります。ただ愛の種類が違う。お母さん達の場合は、子どもへの無償の愛の延長という感じですが、一方のオヤジの愛は「サッカー愛」です。コーチ、審判、練習試合を組む、グランド設営……多くのメンドクサイことを、オヤジたちがボランティアでせっせとやるんです。コーチは、他学年のオヤジ(サッカー未経験者もいる)。審判も当学年のオヤジ・ボランティア。時間だけでなく、審判服、笛、時計などの持ち出しもある。主催大会になると、会場設営や景品準備、駐車場誘導など、やることは尽きません。そんなオヤジたちと会話すると、「ああこの人はサッカーが好きなんだな」「ボールをけるのが楽しくて仕方ないんだな」ということが自然と伝わってきます。

しかし同時に、「サッカー以外の他のことだったらきっと手伝っていないんだろうな」とも思います。おそらくこうしたオヤジたちのスポーツに対する愛は、サッカーだけでなく野球やバスケ、バレーでも同じことがいえるでしょう。どのスポーツ少年団も、そのスポーツを愛するオヤジたちがいてこそ成り立つのです。

スポーツはお金と時間がかかるもの。こういう草の根的な活動によって日本のスポーツは支えられているのだと実感しました。地域には「より保護者の関与を求める」ところもあれば、「保護者参加がない」ことをウリにしているところもあります。こういった選択肢、多様性があるのは恵まれている地域だからかもしれません。

現役および未来のオヤジの皆さん、一緒にがんばりましょう!

 

 

 

PROFILE

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山田 宗芸 YAMADA Muneaki

普通のサラリーマン。2児の父。子どもを授かったことによりプロボノ/地域貢献に興味を持ち始める。浦安の療育NPOや、藤沢のダンスを通じた子育ての立ち上げなどを応援しながら、地元川口で石井邦知さんの活動を支援している。