レポート

動けるエリアがポジションで決められた「ネットボール」– アラフォーライター・スポーツ体験記③

アラフォーライターがいろんな珍しいスポーツにチャレンジして書きつづるレポート連載。第3回は「ネットボール」です。

浅野慎二(エンジニア)

 英国、豪州ではとてもポピュラーな女性向けスポーツ

今回紹介するネットボールは、バスケットボールをもとに誕生した女性向けのスポーツです。イギリスやオーストラリアではとてもポピュラーで世界選手権も開催されているほど。基本的なルールはドリブルが禁止なので、パスでボールをつなぎゴールを狙います。女性向けということもあり接触プレーは禁止で、ボールを持った人の90cm(1フィート)以内に近づいてはいけません。 このネットボールの一番の特徴であり、大きな“魅力”となっているのは各ポジションで動けるエリアが決まっていることです。

 

ポジションごとに違った楽しみ方ができる

 ネットボールでは図の通りコートがいくつかのエリアに分かれていて、ポジションごとに動けるエリアが決まっています。ポジションは大きく7種類で、GS(ゴールシューター)、GA(ゴールアタック)、WA(ウィングアタック)、C(センター)、WD(ウィングディフェンス)、GD(ゴールディフェンス)、GK(ゴールキーパー)です。シュートはGSとGAしか打てないので、攻撃のポイントはいかに2人にボールを渡すか。逆に守備のポイントは、その2人に渡さないようにすることです。

図・筆者図・筆者

実際にプレーした感想ですが、最初は慣れないため、自分が動けるエリアが決まっていることをつい忘れてしまいます。GD(ゴールディフェンス)なのにゴール前に行ってしまったりWA(ウィングアタック)なのにゴールエリアに入ってしまったりしてしまいます。夢中になるとどうしても目がボールだけを追ってしまい、気づいたら入ってはいけないエリアに足を踏み込んでいた……ということが何度もありました。 しかし、そこに慣れてポジションの特性を考えながら動けるようになると、その楽しさがよく分かりました。 例えば、GK(ゴールキーパー)は守備に特化したポジション。相手のGS(ゴールシューター)とマッチアップになるので、ずっと張り付いていかにボールを渡さないかを考えます。サッカーのGKと違ってゴール前で待っていることはしません。 逆に自分がGSなら、守備のことなど考えずにストライカーとして点を取ることだけに集中できます。GDはGKより動ける範囲が広いので前線からの守備にも力を入れるし、C(センター)であれば広い行動範囲を武器にゲームメイクできます。 知れば知るほど戦術的にも奥が深いスポーツだと感じました。

 アジア大会がシンガポールで9月14日まで開催中

ネットボールは女性のスポーツなのですが、今回私はスポコレ主催の体験会に参加しました(男性でも参加可能)。体験会は月一回開催されており、雰囲気もオープンなので、興味があれば参加してみてはどうでしょうか。

この体験会にも参加している日本代表選手が現在、シンガポールでアジア大会(9月7日~9月14日)を戦っています。オーストラリアなどと比べるとまだレベルの差はありますが、接触プレーが禁止されており体格差があまり影響しないルールなので、今後の普及次第では、日本代表が世界と互角に戦えるようになる可能性も十分にあると思います。未来がとても楽しみなスポーツでした。

体験会の様子 体験会の様子

 

 

プロフィール 浅野慎二 ASANO Shinji

浅野 慎二浅野 慎二

1974年生まれ。スポーツ好きのITエンジニア。仕事の傍らヒューマンアカデミーの『スポーツマネージメント講座』修了。もっと気軽にスポーツを楽しめる世界を目指し活動中!!