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「女性がバスケをできる場がない」問題を解決する取り組み ――“ベースボール”ではないWBCが目指すもの

2015年5月27日
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篠島幹昌(ふじみ野ふぁいぶるクラブ会長)

WBCと聞けば、数年に一度メジャーリーグベースボール機構などが主催する野球の世界一決定戦「World baseball Classic」を思い浮かべる人が多いだろう。

だが実は、バスケットボールでもWBCが行われている。

筆者が主宰している総合型地域スポーツクラブ「ふじみ野ふぁいぶるクラブ」が運営しているWBC(Women’s Basketball Community)だ。

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これは成人女性を対象にしたバスケットボールができる場づくりのプロジェクトで、現在毎週木曜の夜に開催している。参加者は高校生から30代、約15人。バスケをプレーしたいという欲求を満たすだけでなく、「コーチングの勉強をしたい」、「バスケで(健康や美容)エクササイズしたい」という要望にもかなう活動を目指している。

WBCを始めた理由は、成人した女性がバスケットボールを継続して楽しめる場がなかったからだ。そのことに最初に気づいたのは、もう20年くらい前、自分が学生だったころだ。

当時、上福岡市(現ふじみ野市)のバスケットボール連盟にボランティアとして参加した。主に18歳~20代の男女を対象にした大会の運営をしていたが、特に女性チームは集めるのにいつも苦労していた。数年後、参加自由の「交流バスケ(広場)」を定期開催した。そこではビギナー向けの教室も開催。当初トップバスケットボールリーグ(JBL)2部「さいたまブロンコス」(その後プロ化)」の選手だった町田辰也君にコーチをしてもらった。コート外でも参加者のコミュニケーションをはかれる機会を設け、女子参加者は次第に増えた。さらに、この交流バスケとは別に、市バスケットボール連盟が主導する一般女子バスケットボールクラブチームもつくった。

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だがクラブチームは、メンバーの結婚などもあり5年ほどで活動休止。交流バスケのビギナー教室も、コーチが来られなくなり、2年ほどで休止となった。

これは市バスケットボール連盟として大会を主催した経験から分かったのだが、クラブチームやビギナー教室の継続に限らず、大会を開催するうえでも、女性向けの企画はなかなか容易ではない。子連れで来場する人が多いので、幼児スペースが必要など男子チームよりもきめ細かいフォローが必要なのだ。

こうした状況を変え、大人の女性が継続してバスケットボールができる場にしようと始めたのがWBCだ。持たせたい役割は大きく3つある。一つは、プレイヤーやコーチとしてレベルアップしたい人にとっての「学べる場」であること。もう一つは、チームとして(世代をこえて)参加者が、「交流し、つながれる場」であること。そして、「高校生も参加できるクラブチーム的な場」であることだ。

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今は第一段階で、バスケットボールの指導者法人組織(株式会社ERUTLUC)との連携により、参加者のプレイヤーとしての場づくりをしていく側面を重視しているが、今後は、女性ならではのニーズにあったプログラムづくりもしたいと考えている。

そして、将来的には女子スポーツ環境の整備につなげたい。これは、スポーツ界が中心に置いているのが、交流よりも競技、女子よりも男子に偏っていると認識しているからだ。目的に競技だけではなく交流を加え、主体も男子ではなく女子にすることで、バスケに限らず女子スポーツを取り巻く環境を変えるきっかけにできるのではないかと考えている

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篠島 幹昌 SHINOJIMA Mikimasa

(総合型地域スポーツクラブ「ふじみ野ふぁいぶるクラブ」会長兼クラブマネジャー)

shinojima

埼玉県ふじみ野市で総合型地域スポーツクラブを2009年3月設立。

クラブでは、バスケットボールを種目モデルとしているが、クラブが提供する仕組みとさまざまなプログラムを通じ、つながりをつくり、地域課題の改善を行なっていくような「スポーツ・文化でまちづくり」をテーマに日々奮闘中。

ふじみ野市バスケットボール協会会長/ふじみ野市体育協会理事/一般社団法人日本コムスポーツ協会理事

https://www.facebook.com/mshinojima

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