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東京の中心でアマいと叫んだケモノ【完結編・後篇】1/3 ーーシロウトマラソン挑戦記 Road to Tokyo(7)

2015年3月24日
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マラソン、ジョギングの魅力を問われてまず答えるのは「コストをかけず、すぐ始められる」ということだが、その次に挙げたいのが、「進捗が分かりやすい」ことだ。ゴールに向かってただひたすら、一歩一歩、左右交互に足を出していくだけ。1歩を1メートルとすれば4万3000歩弱、それだけ足を前に進めれば目標地点に到達する。その「少しずつでも近づいている」という感覚を、自分は好ましく感じている。これは、To Do リストを付ける感覚、カレンダーに×印をつけていく感覚といえば分かってもらえるだろうか。

そして大会の魅力。これは東京マラソンに出て初めて分かった……。

第1回 「本番用シューズを買わせてもらえなかった」の巻
第2回 「答えはお尻」の巻
第3回 夏休みも7月は宿題を頑張るタイプ!?の巻
第4回 おっぱいができちゃった?――ジョギングを始めた理由と栄養摂取法の巻
第5回 LSDは「6回まわってペヤング超大盛り」の巻
第6回 ロケットスタートで気分はアスリート、そして崩壊へ……【完結編・前篇】
第7回 東京の中心でアマいと叫んだケモノ【完結編・後篇】(今回)

Previously on Road to TOKYO(あらすじ)
前半ぶっとばしすぎて、品川あたり15kmくらいで時々あるきはじめた濱田氏。30kmで膝にくると覚悟していたのに、もう20kmより前でキテいた。有楽町マリオンあたりでようやく折り返し地点に到達したのだが、「まだ半分あるのか」ともうげんなりしつつも、「カッコつかないから絶対に完走するんだ」という思いで何とか歩を進めていた。

濱田 優(こむすぽ編集部デスク)

折り返しランナーの姿が目の毒

銀座和光と三越の間の交差点を左折して北上すると、ここから浅草との間の往復だ。雷門前で折り返して、またこの交差点に戻ってくるまでに12-13kmくらい。「ここが気持ち的に正念場だろうな」と考えていた。

東銀座を通って京橋、日本橋。右折して茅場町方向へ。また左折して水天宮を抜け、日本橋浜町。このあたりが25km地点で、折り返しからまだ3kmくらいしか走っていない。1km6~7分台で、やはり少し遅くなっている。

chukan

©東京マラソン財団

このあたりは何度か曲がるとはいえ、直線的なコースのため、先が見通せてブルーになる。浅草で折り返してきたランナーが反対側を走っている。彼らの速さ、多さを目の当たりにして、さらに辛くなる。「なんであんなに元気なんだ?あの人たちは!」

30km

沿道の面白応援看板に笑い

26kmまでの1kmではじめて8分台に突入。27kmも同様。雷門前はギャラリーも多く、また銀座までの復路に入ったということもあって、若干、気持ちが持ち直すがそれも続かず。29kmはついに9分台に突入した。

品川くらいまでは、沿道で応援してくれる人や子供たちにハイタッチしていたが、銀座から浅草までの間はその余裕もなく、道路の真ん中あたりを走った。しかし雷門前で折り返してから、逆にパワーをもらいたくなったのか、また道路沿いを走っていた。

ハイタッチをすると元気が出るし、声援も大きく聞こえる。自前のエイドステーションをつくってくれている人があちこちにいて、チョコや飴をくばっていたり、後半ではエアーサロンパスを使わせてくれたりする。ただ逆に、ハイタッチにこたえると腕がしっかり触れなくなるので、身体のバランスは崩れてしまう。

面白いこともある。
東京マラソン含む最近のランイベントでは、コスプレをして走っているランナーが注目を浴びているが、地味に注目したいのは沿道の応援看板だ。

多いのは特手の名前を掲げてがんばれというものだが、なかには

私も走りたかった

といったものもある。倍率10倍ともいわれる人気の大会だけに、こういうバナーを見てはちゃんと走らなきゃと思わされた。
ほかに印象的だったのは、まだ田町あたりだったか、

あとたった30km

というのもあった。このときはまだ笑う余裕があった(苦笑)。

そして疲れていた後半に、思わず「分かっとるわ」とつっこんでしまったのは

明日は仕事

というものだった。これも苦笑いせざるを得なかったが、明日のことなど考える余裕はなかった。

雷門から東日本橋にもどってきて、31km付近。まだ銀座には戻っていないのだが、ここで事態は大きくうごいた。

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