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マラウイ現地レポ!日本から丸1日、ようやく出会えたキューピッドの名は“坂田さん”ーー連載「はじめてのUNDOKAI、アフリカへ往く」③

2015年3月4日
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2月上旬、マラウイへ向けて成田を旅立った私とスタッフ。予定を大幅に遅れ、ようやく恋物語の舞台に到着するのだが……。

小原裕子(公益社団法人 青年海外協力協会)

第1回 「”オタクカルチャー”でも”カワイイ”でもないクールジャパン」
第2回 短期間で片思いを成就させる――開発途上国で働くということ
第3回 マラウイ現地レポ 日本から丸1日、ようやく出会えたキューピッドの名は“坂田さん”(今回)

香港、南アを経由してマラウイ到着 成田をたってまる1日以上……

この恋は幕開けからして前途多難だった。
2月上旬、スタッフと2人で成田空港を離陸した時間が予定からもう1時間半遅れていた。香港で南アフリカ行きに乗り換える予定で、乗換便までに2時間ある予定だったが、案の定、置いてきぼりを食らい、1泊を余儀無くされた。南アを経由し、都合丸1日、機内で過ごしてようやく、マラウイ共和国、首都リロングエにあるリロングエ国際空港に到着した。

アフリカ大陸の南側にあるマラウイ共和国は、周囲をタンザニア、ザンビア、モザンビークなどに囲まれた小国だ。面積は12万平方km弱、人口は1600万人弱しかいない。1964年にイギリスから独立したことから、チェワ語以外に英語も公用語としてつかわれている(いまでもイギリス連邦加盟国)。主な産業は農業で、輸出品としてはたばこや砂糖などが生産されている。国民1人当たりのGDPがわずか223ドルと世界186位。ちなみに日本のそれが3万8467ドル(24位)、アフリカ大陸南方の盟主、南アは6621ドル(85位)。マラウイが“アフリカ最貧国”と呼ばれるゆえんである。

予定から1日以上遅れてようやく到着したマラウイは雨季まっただ中。マタピラへの道は舗装されていないため、雨が降ると四輪駆動車でも走れなくなってしまうような状況だ。森の中に位置する首都リロングエから、南東へ約40km。雨と悪路で酔いそうになりながら、なんとか到着した丘陵地帯にある小さな村「マタピラ」。そこが今回の“恋物語”の舞台だ。成田を出発してすでに72時間が経過していた。

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多難な幕開けではあるが、障害が多いほど燃えるのも恋である。泥にぬかるむ道もなんのその、意気揚々と乗り込んだ村で私が見たものは、歓声を上げながら車へ駆け寄ってくる子ども、子ども、子ども……。歓迎のシュプレヒコールに思わず感動し、到着までの数十時間でたまっていた疲れは一気にふきとんだ(のもつかの間、子どもたちが単に興奮しやすいだけだったことが分かってがっくり来た)。

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子どもの大群に囲まれながら、この村に住む唯一の日本人、坂田真吾隊員のもとへ急いだ。
彼は2013年5月から青年海外協力隊員としてマタピラに住み、村の小学校で教員として働いている。この坂田隊員こそが、この恋物語のキューピッドなのである。

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左から3人目、ワイシャツ・ネクタイ姿の男性が”キューピッド”

マラウイには「体育」の授業がない!

実はマラウイでは、そもそも体育という教科がない。基本的な初等教育がなかなかうまくいっておらず、体育の授業も継続的に行われていないのだ。そのかわりに、Expressive Arts(情操的教育)という複合科目が存在し、ダンスや図工、音楽、家庭科のような科目を学ぶことになっている。坂田隊員が現地で行っている活動は、この情操的教育が少しでもうまくいくように、マラウイ人教師の手本となる教育活動の支援だ。

そんなところに乗り込んでいって、運動会をやらせろという私のお願いは、ある意味で坂田隊員の恋に横ヤリを入れる行為なのだ。いや、むしろ私の恋のキューピッドになってもらおうというのだから、横ヤリを入れる以上。厚顔この上ないとはまさにこの事だろう。

しかし、現地の住民たちと信頼関係が構築されているところでないと、実質たった2週間の練習で運動会なんてできるはずがないわけで、「坂田隊員ごめん!」という気持ちもありながら、「彼の恋を実らせることにもなるはず!」と自分を正当化していた。

誰だって、いきなり余所者、しかも外国人がやってきて「運動会をさせて下さい」といって、「ハイ、そうですか」とはならない。そもそも、「運動会って何?」という疑問にこたえるところから始めなければならないわけで、“キューピッド坂田”の存在は、無くてはならないものなのだ。

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彼のおかげで、小学校長や教員とのあいさつも滞りなく完了。出会いは完璧だ。
いよいよここから運動会に向けた練習が始まるのだが、そこはトイレは穴、水道も電気も新聞もない村。いきなり「オリンピックの恩恵を届けにきましたよ」なんて言っても、現地の人たちには伝わらない。漫画ならさしずめ、頭上に「?」マークが無数に浮かんでいることだろう。

まずは「UNDOKAI」をやることが彼らにどんなメリットをもたらすのかを分かってもらわなければいけない。

ところでマラウイでスポーツといえば、フットボールやバスケットボール、ネットボールなどの球技を指す。しかし、われわれが掲げるUDNOKAIでのスポーツは、誰もが手軽に楽しめ、かつ仲間と協力したり、連帯感を高めたりするスポーツのこと。まずはこの違いを知ってもらい、いかにUNDOKAIが楽しいものであるか知ってもらうことから始めなくてはならない。

さて、マラウイ人にとって楽しいスポーツ種目とは、一体なんだろうか? 彼らに聴いてみることにした。

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次回「緊急アンケート! やってみたいのはこんな種目。人気のUNDOKAI種目」

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