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目隠しをして一歩を踏み出す怖さ、乗り越える勇気 ――ブラインドサッカーを体験して

2014年11月26日
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山田宗芸(サラリーマン)

 

世界選手権が開催されたばかりの“ブラサカ”

目隠しをして、鈴の音だけを頼りに一歩を踏み出すのがこんなに怖いとは思わなかった――。

2014年10月1日、ブラインドサッカー体験をしてきました。主催は自身も活動をお手伝いしている「きゅぽらスポーツコミュニティ」。団体参加者の縁からブラインドサッカー体験会を不定期で開催しており、自身も体験は3回目です。講師は、現役のブラインドサッカー日本代表でもある加藤健一さん、通称カトケンさん(下写真。ドリフターズ世代は覚えやすいですね)。

(中央でボールを持っているのがカトケンさん)

(中央でボールを持っているのがカトケンさん)

 

彼は「本当に目が見えないの?」とびっくりするような動きをします。人と人の間を抜けるジグザグドリブルなんか、「あっ、足元を見なくてもドリブルってできるんだな」って改めて感心していまいました。

ブラインドサッカーはパラリンオリンピックの種目にもなっている障害者と健常者がともにプレーするフットサルに近いスポーツです。つい先日まで、東京・国立代々木競技場などで世界選手権が開かれていましたから、ニュースでご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか(結果はブラジルが2連覇を達成。日本は6位と過去最高位に入りました)。

簡単に特徴を3つ挙げると、

  1. 特製のボール(中に鈴が入っている)
  2. フィールドプレーヤーは目隠しをする(体験ではアイマスク)
  3. キーパーは健常者

でしょう。

これを最初知ったとき「えっ、キーパーは目が見えるの?」「それでもシュートが決まるんだ?」と驚きました(さらに詳細を知りたい方は、ウェブサイトにルールや迫力満点の動画があるります)。

 

言葉で伝えることの難しさ 仲間を信じることの大切さ

なぜブラインドサッカー体験をしたかったのかというと、サッカーに限らず、いろいろな“ブラインド”にかかわる記事を読んだからです。たとえば、TVで「企業研修で、ドライバーが目隠しを助手席の指示に従って運転する」という番組を観たり、雑誌の記事で「ダイアローグインザダーク(暗闇のなかで食事をしながら会話する)」を読んだり、ウェブでも「暗闇寄席」「暗闇レストラン」について知ったりしました。

どの記事も、重要な感覚器である視覚を遮ることにより、他の感覚器が研ぎ澄まし、普段とは違った新しい気づきや感動が得られるというものでした。

実際にブラインドサッカー体験、アイマスクをしてサッカーをしてみると、最初の感覚は「恐怖」でした。

もうねぇ、と・に・か・く、怖いんです。

目が見えるときは十分に広いコートなのに、アイマスクを着けたとたん、壁が迫ってくるような不安が襲ってきます。頭では「広いコートのはず」と思っているのに、ちょっと走るだけでも“おっかなびっくり”、こわごわと歩く感じになってしまいます。まさに「恐る恐る一歩を踏み出す」というのはこういう状態なんだなと感じました。

それでも時間が経つにつれて恐怖を少しだけ克服できるようになり、足早に動けるようになってきます。

恐怖の次に感じることは、まず「伝えることの難しさ」です。目が見えない状態なので、声で伝え合うしかありません。信じることの大切さも痛感しました。とてもすべてを言葉で表すことはできません。

 

サッカー未経験者、体力に自信がない人でも楽しめる

ただ「怖い」と書きましたが、体験メニューは誰でもできる楽しいものです。そのあたりは誤解のないように追記しておきます。

10月1日の体験メニューは以下のようなものでした。

  • 二人一組で体操(一人がアイマスク、もう一人が、カトケンさんがしている体操を見て、アイマスクをしているパートナーに言葉で伝える)
  • ボールタッチ
  • ドリブル(下に目隠しで走る練習の動画があります)
  • シュート
  • 試合形式(二人一組、アイマスクを着けてない人が補助、指示、誘導)

 

<動画>

 

私は3回体験しましたが、カトケンさんは毎回新しいメニューを入れてくれていて、毎回楽しめています。運動量も多すぎず、サッカー未経験者でも、体力にあまり自信がない女性でも気軽に体験できます。

このブラインドサッカー体験、自分の子供にも体験させたいと思うくらいお薦めです。

 

PROFILE

yamada
山田 宗芸 YAMADA Muneaki

普通のサラリーマン。2児の父。子どもを授かったことによりプロボノ/地域貢献に興味を持ち始める。浦安の療育NPOや、藤沢のダンスを通じた子育ての立ち上げなどを応援しながら、地元川口で石井邦知さんの活動を支援している。

 

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